アルコールチェッカー・検知器の義務化と運用ルールについて

アルコールチェッカー・検知器の義務化と運用ルールについて

アルコール検知器・チェッカーの義務化 白ナンバー取締強化

2011年5月より運輸事業者へのアルコールチェッカー・検知器義務化が始まり、飲酒運転に対する取締がより強化されました。さらに飲酒運転による死亡事故が絶えないことから、2022年10月より白ナンバー事業者に対してアルコールチェッカー・検知器の義務化が始まります。

そのため、白ナンバー事業者もアルコールチェッカー・検知を活用し、運転前に酒気帯びの有無を確認することが必須となります。今回は白ナンバー義務化に伴い、これまでと具体的にどのような違いがあるのか詳しく解説していきます。

後半では、業務用アルコールチェッカー・検知器のおすすめ商品もご紹介します。

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2022年より白ナンバー事業者へのアルコールチェッカー・検知器義務化へ

2022年10月より、白ナンバーの車を5台以上使用する事業者を対象に、アルコールチェッカー・検知器による酒気帯びの確認が義務化されることが警視庁より発表されました。そのため、社用車や営業車などを複数台所有している企業は対象となります。

アルコールチェッカー・検知器の使用方法、設置方法、管理方法など事前にしっかりと確認しておきましょう。

白ナンバーへのアルコールチェッカー・検知器義務化に伴う対象者について

道路交通法にて「安全運転管理者選任事業所」として規定されている企業、団体が義務化の対象となります。安全運転管理者選任事業所とは、白ナンバー乗用車を5台以上、または店員11名以上の車両を1台以上、保有している事業所のことを指します。

対象となる企業または団体は、安全運転管理者を選任し警察署へ届出が必要となり、白ナンバー乗用車を運転する従業員に対して安全運転の教育や管理を行うことが義務付けされます。

2011年にアルコールチェッカー義務化された改定案との違い

2011年5月にも、道路交通法の改定により、アルコールチェッカー・検知器の義務化がスタートしました。

この改定案では、運送事業者が義務化の対象となっていましたが、2022年の改定案では、「安全運転管理者選任事業所」も義務化の対象となるという点が大きな違いです。

2021年3月時点で、安全運転管理者選任事業所は全国に約34万件あるとされており、アルコールチェッカー・検知器による酒気帯び確認の対象者が大きく拡大することになります。

アルコール検査を行う安全運転管理者とは?

安全運転管理者制度とは、一定台数以上の自家用自動車を使用する事業者等において、自動車の安全運転に必要な業務を行わせる者を選任させて、道路交通法令の遵守、飲酒運転の防止を目的とした制度です。

簡単に説明すると、事業所にアルコールチェッカー義務化に関する責任者を選任し、道路交通法令の遵守、飲酒運転の防止を行うことです。

上記でも条件を記載しましたが改めてまとめて記載します。また選任を行う場合は、届出も必要となります。

・定員11人以上の自動車を1台以上使用している事業所
・自動車を5台以上(自動二輪車(※50ccを超えるもの)1台は0.5台で計算)使用している事業所
・自動車運転代行業者については、営業所ごとに安全運転管理者の選任が必要

安全運転管理者の業務内容

安全運転管理者が実施しなければいけない業務内容は下記の通りとなります。

運転者の適正確認

自動車を運転するにあたり、運転手の適正、知識、技能、道路交通法等の規定を規則正しく守っているかなどの確認の措置をとること。

運行計画の作成

運転手の過労運転防止、そのた安全な運転を確保するための自動車の運航計画を作成すること。

万が一のための交替運転者の配置

長距離運転または夜間運転などを行う場合、疲労や睡眠不足により運転に支障をきたす恐れがある場合は、交替するために運転者を配置すること。

異常気象が発生した場合の措置

異常気象や天災などの影響により、安全運転の確保に支障が生じる恐れがある場合は、安全確保に必要な指示や措置を講ずること。

点呼と日常点検実施による安全運転の確保

運転手に対して点呼を行い、日常点検整備の実施、運転手の酒気帯び確認、体調確認など正常に運転できるかどうかを確認し、運転に支障が生じないか事前に確認を行い必要な指示を与えること。

運転日誌の備付けと記録

日々の運転状況を把握するために必要な事項を記録する運転日誌を備え付け、運転終了時に運転手に記録させること。

運転手への安全運転指導

運転手に対して、「交通安全教育指針」に基づく教育・指導の他、自動車の運転にかんする知識や技能、その他安全運転を確保するために必要な事項について指導を行うこと。

飲酒運転となるアルコールチェッカーの数値について

アルコールチェッカー・検知器でアルコール濃度を測定し、アルコール濃度が0.15mg/l以上であれば、酒気帯び運転となり罰則の対象となります。また0.15mg/l以下であっても、警察官に酒気帯び運転と判断された場合は罰則・行政処分の対象となってしまいます。

アルコールチェッカー・検知による数値と酒気帯び運転、酒酔い運転の罰則・行政処分については、下記の記事にて詳しく解説しています。
アルコールチェッカー・検知器の数値表【完全保存版】

アルコールチェッカー義務化の背景

アルコールチェッカー義務化は、飲酒運転の被害を減らすために、2011年5月1日より運送事業者が運転手に対して実施する点呼にて、酒気帯びの有無を確認するためにアルコールチェッカーを使用することが義務化となりました。

2019年には、運送事業者だけでなく航空業界・鉄道業界においてもアルコールチェッカーが義務化されています。また運転手だけでなく、整備士や配車係、従事者、管理者などのアルコールチェッカーによる酒気帯び確認が義務化されています。

アルコールチェッカー義務化の運用ルール

アルコールチェッカーの設置

各営業所にアルコールチェッカーを設置し、遠隔地での乗務開始または終了する場合は、運転手に携帯可能なアルコールチェッカーを携行すること。

点呼時のアルコールチェッカー使用について

乗務開始前または終了後に実施する点呼時に、運転手の顔色、呼気のニオイ、応答時の声の状態、目視確認などに加えて、アルコールチェッカーを使用し、運転手の酒気帯びの有無を確認すること。

確認内容は点呼記録簿に記録し、1年間保管しておく必要があります。

また不正行為などが行われないように注意しましょう。

参考:アルコール検知器で運送屋が行ったごまかし方と裏技5選

設置するアルコールチェッカーの保守点検について

運行管理者は、アルコールチェッカーに不備や故障がないか常に保守点検を行う必要があります。アルコールチェッカーの製造メーカーによる取扱説明書に基づき、正しい使用方法と保守点検、管理を実施しなければいけません。

毎日確認する事項としては、「電源オンオフの確認」、「アルコールチェッカー本体の損傷がないかどうか」が挙げられます。

また遠隔地で乗務開始または終了を行う場合は、運転者が所属営業所を出発する前に実施を行うようにします。

アルコールチェッカーの動作確認を行うために週1回以上、下記の確認を行います。
・酒気帯びしていない者がアルコールチェッカーを使用した場合に、アルコールを検知しないか確認を行う
・アルコールを含有する液体または希釈したものを、口内に噴霧しアルコールチェッカーを使用した場合にアルコールを検知するか確認を行う

遠隔地(直行直帰など)でのアルコールチェッカー実施について

タクシー、バス、トラック事業の運転手が、所属営業所以外の営業所においてアルコール検査を行う場合は、同営業所の運行管理者の立ち合いが求められます。また所属営業所以外の営業所で乗務開始または終了する場合は、一定条件を満たす場合に、同営業所に設置された高性能なアルコールチェッカーを使用する方法が認められています。

参考文献:自動車運送事業におけるアルコール検知器の使用について | 国土交通省

アルコールチェッカー義務化に対して違反した場合の罰則

上記の運用ルールに違反した場合、車両使用停止などの行政処分が科せられてしまいますので十分に注意しましょう。違反時の行政処分は下記の通りとなります。

・アルコールチェッカーの備え義務違反

初違反60日間の車両使用停止再違反120日間の車両使用停止

・アルコールチェッカーの常時有効保持義務違反

初違反20日間の車両使用停止再違反40日間の車両使用停止

アルコールチェッカー義務化によるレンタカーへの影響は?

上記でもお伝えした通り、2022年10月より白ナンバー事業者に対してアルコールチェッカー・検知器の義務化がスタートします。「レンタカーを借りた場合、アルコールチェッカー・検知器によるチェックは必要なの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。

現在のところ、個人でレンタカーを借りた場合、アルコールチェッカー・検知器による酒気帯び確認は必要ないとされています。しかし、レンタカー業者によっては、アルコールチェッカー・検知器による酒気帯び確認を求められる場合もあるかもしれません。

アルコールチェッカー使用時の注意点

アルコールを含むお酒などを飲酒していなくても、発酵食品など微量のアルコール成分を含む食品を食べた食後の場合、アルコール成分を検出してしまう場合があります。その他にも、アルコール成分が含まれる歯磨き粉または口内洗浄液などを使用した場合もアルコール成分が検出される場合があります。

その場合は、検査前にしっかりと水などで口をすすいでから検査を行いましょう。

飲酒していないのに、アルコール反応が出てしまう場合の対処方や詳しい飲食物に関しては下記の記事で詳しく解説しています。
アルコール検知器でお酒を飲んでないのに反応が出る原因

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