アルコールチェッカーで反応が出る病気とは?自動醸造症候群について

アルコールチェッカーで反応が出る病気とは?自動醸造症候群について

アルコールチェッカーで反応が出る病気とは?自動醸造症候群について

ビールなどのアルコールを飲んでいないのに、何回もアルコールチェッカーが反応してしまう場合、自動醸造症候群(腸発酵症候群)という非常に珍しい病気を発症している可能性があります。

今回は、アルコールの飲んでいないのにアルコールチェッカーが反応してしまう「自動醸造症候群(腸発酵症候群)」という病気について詳しく解説していきます。

飲んでいないのにアルコールチェッカーが反応する場合

一般的に、アルコールを飲んでいないのにアルコールチェッカーが反応してしまう場合は、摂取した飲食物または口臭エチケット用品を使用した場合にアルコール反応が出てしまう場合があります。

例えば、測定前にマウスウォッシュを使用した場合、微量のアルコール成分が含まれているので、口内にアルコール成分が残っていれば、アルコールチェッカーが反応してしまいます。

飲んでいないのにアルコールチェッカーが反応してしまう原因については、下記の記事でも詳しく解説しています。

参考:アルコール検知器でお酒を飲んでないのに反応が出る原因
参考:コーヒーはアルコールチェッカーで反応する?影響について

何回も反応する場合は自動醸造症候群という病気かも

微量のアルコール成分を含む飲食物を摂取または口臭エチケット用品を使用した場合、水で十分に口内をゆすいで時間を置くことで、アルコール反応は出なくなります。

しかし飲んでいないのに何回も反応する場合やエラーが起きる場合は、自動醸造症候群(腸発酵症候群)という病気を発症しているかもしれません。

自動醸造症候群(腸発酵症候群)とは?

自動醸造症候群とは、消化器官内に存在する酵母(イースト菌)が、何らかの原因によって、異常増殖し、消化器官内で糖分をアルコール(エタノール)に変換してしまうという病気です。

腸内で発酵が発生している場合は、腸発酵症候群と呼びます。

そのため、炭水化物などの糖分を摂取すると、ビールなどのアルコール成分を摂取していないのに、体内でアルコール成分が生成されて、酔った状態(酩酊状態)になってしまいます。

特に炭水化物を過剰摂取した後に、呼気または血中アルコール濃度が上昇する傾向があります。

一般的には広く知られていない病気ですが、日本では1972年に発見され、その他の国でも同じ病気を発症している方が発見されています。

しかし非常に稀な病気のため、現時点でも研究が十分に行われていない病気の一つでもあります。

飲んでいないのにアルコールチェッカーが何回も反応してしまう場合は、自動醸造症候群という病気を発症している可能性が高いかもしれません。

参考文献:Auto-Brewery Syndrome: A Schematic for Diagnosis and Appropriate Treatment
参考文献:The Auto-Brewery Syndrome: A Perfect Metabolic “Storm” with Clinical and Forensic Implications | PMC

自動醸造症候群の主な原因

乱れた食生活や抗菌薬の長期使用により、腸内環境のバランスが崩れ、酵母(イースト菌)の異常増殖が原因の一つとして挙げられます。

その他には、小腸切除による炭水化物の吸収不良を起こしやすい短腸症候群の方が発症するケースもあります。

また糖尿病、肥満関連肝疾患、クリーン病、大規模小腸拡張、開腹術、胃切除術、肝臓機能に障害がある方に発症傾向があることが報告されています。

自動醸造症候群の症状について

自動醸造症候群は、酔った状態(酩酊状態)が続くため、二日酔い、吐き気、頭痛、げっぷ、めまい、立ちくらみなどの症状が現れます。

また酩酊状態が続くと、QOL(生命の質)を著しく低下させてしまい、うつ病などの精神疾患を招いてしまうケースも少なくありません。

自動醸造症候群が原因で飲酒運転により逮捕されたケースも

自動醸造症候群が原因で、飲酒運転と判断され、実際に警察に逮捕されたというケースもあります。

2014年、アメリカ・ノースカロライナ州にて飲酒運転の疑いで逮捕された40代男性が逮捕された事件では、逮捕時男性は、一貫して飲酒していないと主張。

その後、病院内で呼気検査を行ったところ、血中から0.2%もの濃度のアルコールが検出され、そのあることが濃度は許容量の約2.5倍にも及ぶアルコール量となったが、それでも男性は飲酒を否定。

さらにアメリカ・リッチモンド大学医療センターにて、より詳しい検査を行ったところ、男性は本当に飲酒をしていないという衝撃の事実が発覚したというもの。

検査によると、消化器官内の酵母が原因となり、糖からアルコールが生成されているということが判明し、自動醸造症候群と診断されました。

男性によると、2011年頃に、指の怪我をきっかけに抗生物質を服用してから、酩酊状態が頻出するという症状に見舞われたとのこと。

服用した抗生物質が原因で、腸内環境が乱れ、酵母が異常増殖してしまったのが原因と考えられています。

参考:Case report and literature review of auto-brewery syndrome: probably an underdiagnosed medical condition | BMJ

糖尿病が原因でアルコール反応が出る場合もある

自動醸造症候群以外の病気では、糖尿病の方がアルコールチェッカー測定時にアルコール反応が出てしまうケースもあります。

糖尿病の方は、一般の方よりもケトン体と呼ばれるエネルギー源が多く発生する傾向があり、ケトン体にアルコールチェッカーが反応してしまうことがあります。

ケトン体は、健康な人の血液中にも存在するエネルギー源ですが、糖尿病の方の場合、インスリンの作用で不足していると、糖分からエネルギーを生成することができません。

そこで糖分の代わりに脂肪を代用するのですが、結果的にケトン体を多く生成してしまいます。

参考文献:SGLT2 阻害薬服用中にアルコール検知器反応陽性を示した正常血糖ケトーシスの1例 | J-STAGE

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