ポータブル電源の過放電は復活できる?復活方法と注意点について

ポータブル電源の過放電は復活できる?復活方法と注意点について
ポータブル電源の過放電は復活できる?復活方法と注意点について
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ポータブル電源が過放電状態となった場合の復活方法や注意点についてわかりやすく解説していきます。

後半では、自然放電率が低く過放電になりにくいポータブル電源もご紹介しますので是非ご参考にしてくださいね。

そもそも過放電とは何?

そもそも過放電とは何?ポータブル電源
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過放電とは、ポータブル電源のバッテリー残量が0%の状態から、さらに電気を取り出そうと放電を行うことを指します。

一次電池・二次電池には、安全に放電を行うために放電電圧の最低値である放電終止電圧が定められていますが、放電終止電圧を下回った状態で放電を行うと、過放電となり、バッテリーの劣化や充電できなくなるなどの原因になります。

ポータブル電源に搭載されているリチウムイオン電池では、放電終止電圧は2.7Vと設定されています。

過放電は、バッテリーを大きく劣化させてしまいますので、ポータブル電源のバッテリー残量が0%にならないように、定期的に充電を行うことが大切です。

参考:ポータブル電源の寿命と正しい保管方法・容量目安について

過放電状態が続くと2度と充電できない場合も

二次電池には、過放電、過充電を予防するために、安全回路が設けられています。

これは放電終止電圧に達した時点で、過放電を防ぐために使用できなくなるという設計になっています。

そのため、放電終止電圧に達したポータブル電源は、今後充電できなくなる可能性が非常に高くなってしまいます。

また安全回路が設けられていますが、万が一長期的な過充電が起きた場合は、リチウムイオン電池の負極に用いられている銅箔が溶け出す銅溶出が起き、電解液の還元分解反応が発生し、破損・損傷する危険性があります。

銅溶出が起きて電解液の還元分解反応が発生すると、ポータブル電源として使用することは極めて難しく、ほぼ100%復活することはできないと考えていいでしょう。

関連記事:ポータブル電源メーカー別 修理お問い合わせ一覧

低温時では電圧が大幅に低下する場合があるので注意

使用する環境の温度差によって、過放電が起きる確率は大きく異なります。

ポータブル電源に搭載されているリチウムイオン電池は、温度の影響を受けやすく、高温時と低温時では、過放電が起きる可能性は異なります。

特に低温時では、内部抵抗が上がり、出力や電圧が低下する傾向があります。

ポータブル電源の電圧が低下すると、放電終止電圧に達しやすくなり、過放電が起きる危険性が高くなります。

自然放電により過放電する場合も

ポータブル電源に搭載されているリチウムイオン電池などの化学電池は、自然放電(自己放電)が起きるという性質があります。

自然放電では、ポータブル電源を使用していなくても、保管・放置しているだけで、電気が減少していきます。

ポータブル電源の自然放電率は、約10~30%程と言われており、ポータブル電源のメーカーによっても異なります。

また自然放電率は、温度が高いほど自然放電率は高くなる傾向がありますので、温度が高い場所での放置または保管は、自然放電率が高くなるので注意が必要です。

自然放電率を低くするためには、風通しが良く、涼しい日陰などにポータブル電源を保管することで、バッテリーの劣化や過放電を防ぐことができます。

参考:ポータブル電源の寿命と正しい保管方法・容量目安について

ポータブル電源が過放電した場合の復活方法

ポータブル電源が過放電した場合の復活方法
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それでは次に、ポータブル電源が過放電した場合の復活方法についてご紹介します。

長時間充電を行う(過放電ロック解除方法)

ポータブル電源が放電終止電圧に達し、安全回路が作動して充電ができない場合は、一定以上まで充電を行うことで過放電ロックを解除できる場合があります。

通常の充電時間よりも多くの充電時間を要することが多いですが、復活できる可能性が高く、最もポピュラーな復活方法です。

充電時間は、数時間で復活する場合もあれば、復活に数日程かかる場合もあります。

複数回充電を行う

充電ランプが付かない、すぐに充電ランプが消えてしまう場合に効果的な復活方法は、充電回路が停止した後に、再度ACアダプターを接続して繰り返し充電を行うという復活方法です。

この方法を行うことで、少しずづですがバッテリーを充電することができます。

徐々に充電を行うことで、過放電したポータブル電源を復活できる可能性があります。

ポータブル電源が過放電した場合の注意点

ポータブル電源が過放電した場合の注意点
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ポータブル電源が放電終止電圧に達し、安全回路が作動している状態では、過放電状態からポータブル電源を復活させる可能性は高い状態といえるでしょう。

しかし、過放電が長期化し、リチウムイオン電池の銅箔が溶け出す銅溶出が起きてしまうと、復活することはできません。

ポータブル電源の過放電が長期化した場合はバッテリー交換を

ポータブル電源の過放電が長期化した場合はバッテリー交換を
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ポータブル電源の過放電が長期化し、銅溶出などが発生している場合は、基本的に復活させることはできません。

メーカーにてバッテリー交換を行うなど修理を行ってもらいましょう。

銅溶出している場合は、発火などの危険性も高いため、ご自身で分解などを必ず行わないようにしてください。

また分解や改造を行うと、メーカー修理対象外となりますので十分にご注意ください。

参考:ポータブル電源メーカー別 修理お問い合わせ一覧

ポータブル電源が充電できない場合の基本的な対処方法

ポータブル電源が充電できない場合の基本的な対処方法
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ポータブル電源をリセットして充電する

メーカーによっても異なりますが、ポータブル電源には初期化を行うリセット機能が搭載されています。

充電がうまくできない場合は、一度リセットボタンを長押しして、リセットを行ってから再度充電を行いましょう。

その他の充電方法で試す

車載用充電シガーソケットを用いた充電方法など、ACアダプター以外の充電方法を試してみましょう。

もし車載用充電シガーソケットで充電ができる場合は、ACアダプターの不良による可能性が高いといえます。

またACアダプター以外での充電方法でも充電できない場合は、内部回路での不具合の可能性が高い場合があります。

動作温度内で充電を行う

ポータブル電源には、推奨されている動作温度があります。

例えば、Jackeryポータブル電源の動作温度は下記の通りとなります。

動作温度外で使用している場合は、ポータブル電源が正常に動作しない可能性があります。動作温度内で使用するようにしましょう。

動作温度-10℃~40℃

ポータブル電源の過充電にも注意が必要

ポータブル電源の過充電にも注意が必要
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過充電とは、フル充電(100%)に達した状態でも充電を行い続けることを指します。

過充電を行うとバッテリーに過剰な負荷がかかり、バッテリー劣化や発火などの危険性が高くなります。

一般的には、バッテリーマネジメントシステム(BMS)が搭載されているため、過放電・過充電を事前に検知し、未然に防いでくれますが、バッテリーマネジメントシステムが正常に作動しなかったり、不良が原因んとなり、事故に繋がるケースもあります。

参考:ポータブル電源の発火・火災メーカーまとめ一覧【完全保存版】

ポータブル電源が過放電にならないための予防対策

ポータブル電源が過放電にならないための予防対策
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定期的に充電を行う

「そもそも過放電とは何?」でお伝えした通り、リチウムイオン電池などの化学電池には、自然放電と呼ばれる現象が起きます。

そのため、知らない間にポータブル電源の電力が0%になっていたということも珍しくはありません。

定期的にポータブル電源を充電することが、過放電を予防する最も効果的な予防対策です。

またポータブル電源を充電する際は、フル充電ではなく80%充電を行うことで、バッテリーの劣化を防ぐことができます。

自然放電率が低いポータブル電源を選ぶ

ポータブル電源の自然放電率は、約10~30%程と言われていますが、最近では自然放電率が低いポータブル電源も多数販売されています。

1年長期保管した場合でも約80%を維持できるポータブル電源などもありますので、自然放電率が低いポータブル電源を選ぶことも、過放電を予防する対策として有効です。

自然放電率が低く過放電しにくいポータブル電源3選

自然放電率が低ければ、長期保管にも対応することができ、過放電を防ぐことが可能です。

ここでは、自然放電率が低く、過放電しにくいポータブル電源をご紹介します。

関連記事:リン酸鉄リチウム ポータブル電源のおすすめランキング12選!寿命は最強クラス!

ポータブル電源 CITAEB-01 444Wh / ラ・チタ(LACITA)

  • 安全性の高い三元系リチウムポリマー採用!
    ポータブル電源 ENERBOX CITAEB-01 444Wh/ ラ・チタ(LACITA)

    69,800円(税込)※相場(楽天参考)

    200~400Whクラスの普段使い用・キャンプ用として人気の高いENERBOX。

    バッテリーには電気自動車などにも採用されている三元系リチウムポリマー電池を採用。

    自然放電率は3ヶ月で約5%と低く、自然放電による過放電も起きにくいのが特徴です。

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容量444Wh重量5kg
サイクル回数500回耐用年数
出力ポートACコンセント(3口)、USB(3口)、シガーソケット(1口)定格出力最大消費電力400W以下の電化製品への給電
充電方法ソーラー・コンセントサイズ30.3 x 13.4 x 18.4cm

その他機能:PSE認証、MCU、バッテリーマネジメントシステム(BMS)

ポータブル電源 1000 Pro 1,002Wh / Jackery(ジャクリ)

  • 災害時でも困らない大容量タイプ!
    ポータブル電源 1000 Pro 1,002Wh / Jackery(ジャクリ)

    149,800円(税込)

    Jackeryの新シリーズであるプロシリーズは、サイクル回数に優れ、自然放電率が低いリン酸鉄リチウムイオン電池を採用。

    1年間使用しない状態でもバッテリー容量は約80%のままと、優れた自然放電率を実現。

    サイクル回数も1,000回以上と、従来モデルよりも2倍寿命が長く、耐久性にも優れています。

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容量1,002Wh重量約11.5kg
出力ポートACコンセント(3口)、USB-A(2口)、USB-C(2口)、シガーソケット(1口)定格出力1,000W(瞬間最大2,000W)
充電方法ソーラー・シガーソケット・ACコンセントサイズ34 x 26 x 25.5cm

ポータブル電源 535 Portable Power Station 512Wh / アンカー(Anker)

  • リン酸鉄リチウム搭載ポータブル電源のおすすめ人気ランキング第2位
    リン酸鉄リチウムイオン ポータブル電源 535 Portable Power Station 512Wh / アンカー(Anker)

    59,800円(税込)

    寿命が長いことでも知られているリン酸鉄リチウムイオン電池の中でも高品質なセルを採用し、従来のポータブル電源の約6倍もの長寿命を実現。

    サイクル回数は約3,000回以上を可能にし、優れた耐久性を兼ね揃えています。

    自然放電率は、3ヶ月で約7%と低く、耐久性だけでなく自然放電率の低さにも優れています。

    また放熱性の高いバッテリーパックと放熱ファンが発熱を抑えてくれるので、万が一過放電が発生しても発火などが起きにくく、安全性も抜群です。

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総合評価4.47 レビュー件数:301件
※2023/3/6時点
良い買い物でした。停電時のスマホやノートPCの電源確保として購入しました。サイズ選択については自分の必要とする使用条件を考慮するのが重要かと思います。

自分的にはドライヤーや電子レンジは野外で使いませんので、機動性の高い電源(個人用)として考えた結果、Anker 535 Portable Power Stationはベストバランスかと思います。

持ち運びしやすいサイズでバッテリーの寿命もリチウム系より長い。メーカー保証も充実で安心して購入できました。もし容量が足りなくなってきたら追加で買っても良いと思います。

容量512Wh重量約7.6kg
出力ポートACコンセント(4口)、USB-A(3口)、USB-C(1口)、シガーソケット(1口)定格出力500W(瞬間最大出力1,000W)
充電方法ソーラー・シガーソケット・ACコンセント・USB充電サイズ29.2 x 25.1 x 18.8cm

その他機能:バッテリーマネジメントシステム(BMS)、PSE認証