腎臓疾患の方は、エプソムソルト使用時に注意が必要です。今回は、腎臓疾患の方への影響について詳しく解説します。
腎臓疾患がある方はエプソムソルトを使用できない
皮膚からマグネシウムを経皮吸収した場合、血中のマグネシウム濃度が高くなる可能性があります。賢不全などの疾患がある場合は、エプソムソルトの入浴は控えましょう。
また一般的には、賢不全の方がマグネシウムを含有する薬を服用または投与し、血中マグネシウム濃度が上昇すると「高マグネシウム血症」を発症すると言われていますが、エプソムソルト入浴により、血中マグネシウム濃度が上昇する可能性もありますので注意が必要です。
高マグネシウム血症とは?
高マグネシウム血症とは、賢不全またはマグネシウムを含有する静注製剤の投与、または緩下剤や制酸薬の服用により血中のマグネシウム濃度が上昇すると発症する場合があります。
血清マグネシウム濃度が2.7mg/dl以上の場合に高マグネシウム血症と診断されます。賢不全など腎機能障害による機能低下と、過剰なマグネシウムの摂取が主な原因となります。
高マグネシウム血症を発症すると、吐き気、嘔吐、皮膚が赤くなる、尿が出にくい、徐脈などの症状が表れることがあります。また症状が酷くなると、手足のまひ、心肺停止など危険な状態になる場合もあります。
過剰に摂取したまま、体外に排出できない状態になると、血中のマグネシウム濃度が上昇して重大な症状を引き起こす「高マグネシウム血症」を発症することがある。注意したいのは腎機能が低下している人や、胃腸炎などマグネシウム吸収を促進する可能性のある腸管疾患がある人が胃薬や下剤などマグネシウムを含有する薬剤(マグネシウム製剤)を使用する場合だ。
出典:腎機能が低下している人は要注意 自覚しにくい高マグネシウム血症 | 時事メディカル
高マグネシウム血症の治療方法
腎機能が十分に機能されている方は、マグネシウム製剤の服用を中止または摂取量を減らすなどを行うことで、症状が回復することが多いと言われています。またマグネシウムを多く含む藻類、魚介類、豆類、穀類などの摂取にも注意する必要があります。
その他にも生理食塩液とループ利尿薬を用いて、尿中Mg排泄を促してマグネシウム濃度を補正する方法もあります。
腎機能障害が重度の場合は、血液透析などを行い血中マグネシウムの除去を行います。
軽度の高Mg血症では、生理食塩液とループ利尿薬の点滴静注で尿中Mg排泄を促して補正します。重度で呼吸抑制や心障害がみられるときには、緊急処置が必要になります。症状緩和の呼吸補助を行い、Mg拮抗薬を点滴静注します。腎不全でMgを排泄できない場合には、Mgを含まない透析液での血液透析を行います。
出典: 【高マグネシウム血症】原因・症状・治療ポイント | ナース専科