家庭用血圧計の普及により、高血圧の方や健康管理のためにご自身で血圧を測る方が増えてきました。
しかし、あまり知られていないのが医療用血圧計と家庭用血圧計の違いについてです。
今回は、医療用血圧計と家庭用血圧計の明確な違いについて解説していきます。
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医療用血圧計と家庭用血圧計の違い
血圧の正常値上限が違う
血圧値は、測定を行う環境によって大きく異なると言われています。例えば病院などで血圧測定を行う場合、自宅に比べて緊張により血圧が上がることが予想されます。
一方で、自宅で血圧測定を行う場合は、病院よりもリラックスした状態で血圧測定を行うことができます。
そのため血圧の正常値は、病院などで行う「診察室血圧」とご家庭で測定する「家庭血圧」の2種類に区分されています。
診察室血圧の正常値上限は、140/90mmHg未満に設定されています。しかし家庭血圧では、5mmHg低い135/85mmHg未満に設定されているのが大きな違いです。
家庭での測定値基準は、病院での測定値基準よりも低く設定されているのが大きな特徴です。
参照文献:血圧の正常値について | 大川医院
診察室血圧 | 140/90mmHg未満 |
---|---|
家庭血圧 | 135/85mmHg |
測定精度に関してはほとんど大差はない
医療用血圧計、家庭用血圧計でも血圧計本体の測定精度に関しては、ほとんど大差はありません。※機種によって異なる場合はあります。
実際に、オムロン(OMRON)の人気機種とテルモ(TERUMO)が販売を行っている医用電子血圧計の測定精度を比較しても精度は全く同じです。
圧力/±3mmHg以内
脈拍数/読み取り数値の±5%以内
種類:上腕式血圧計(上腕式)
圧力/±3mmHg以内
脈拍数/読み取り数値の±5%以内
種類:上腕式血圧計(上腕式)
血圧計本体の測定精度に大きな違いはなくても、測定サポート力に優れた上腕式(アームイン式)では、より安定して測定することができるため、医療用、家庭用関係なく種類によって血圧値に誤差が生じやすくなる場合もあります。
血圧計の種類が異なる
家庭用血圧計では、「自動電子血圧計」が主流となりますが、病院では「水銀血圧計」や「アネロイド血圧計」が主流となっています。
しかし近年では、水銀血圧計で使用する水銀による環境への影響、アネロイド血圧計の正確性の問題点などから、病院などの医療現場でも電子血圧計を採用するケースが増えてきています。
また水銀血圧計とアネロイド血圧計を使用するには専門的知識が必要となるため、家庭用として使用することはできません。
参考文献:血圧計っていろいろとあるけど何が違うの? – ナース専科
搭載されている機能の違い
メーカーや機種によっても異なりますが、医療用血圧計には、家庭用血圧計に搭載されていないさまざまな機能を搭載しています。
幅広い測定モード
低血圧や脈の弱い方用に、通常の減圧速度よりも遅い減圧速度で減圧が可能なスローモードを搭載している血圧計もあります。
その他にも、聴診器を用いた聴診法による血圧測定に切り替えることができる機能を搭載した血圧計などもあり、医療用に特化した機能が多く搭載されています。
印字プリント機能
血圧測定した数値をそのまま本体から印字プリントする機能を搭載した血圧計もあります。血圧や脈拍数などを印字することが可能です。
消毒液に対応している
医療用血圧計では、エタノール・次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が可能なカフを採用しているものもあります。不特定多数の方を測定するため感染予防に対しても考慮されています。
BESTLABO厳選!家庭用・医療用おすすめの血圧計
BESTLABOが厳選した医療用血圧計と家庭用血圧計をご紹介いたします。
医用電子血圧計 エレマーノ2 ES-H56 / テルモ(TERUMO)
3つの測定モードを搭載した医用電子血圧計
医用電子血圧計 エレマーノ2 ES-H56 / テルモ(TERUMO)
17,800円(税込)※相場(楽天参考)血流遮断専用の阻血カフ(大)と脈波検出専用カフ(小)のダブルカフ方式を採用した医用電子血圧計。
測定モードでは、通常の減圧速度で自動測定を行う「ノーマルモード」、低血圧の方や脈が弱い方の測定に最適な「スローモード」、聴診器を用いた聴診法による測定が可能な「聴診モード」の3つの測定モードからシーンに合わせて選ぶことができます。
またカフは簡単に取り外し・接続が可能なワンタッチ仕様で患者様の腕周りに合わせて取り替えが可能。腕帯はエタノールなどで消毒可能なナイロン製を採用し、衛生面にも優れています。
HRジョイントを活用すれば簡単に自動でデータ転送することも可能です。
測定方式 | オシロメトリック法 | 適応腕周り | 22~32cm |
---|---|---|---|
メモリ機能 | 前回値メモリ | 不規則脈波機能 | – |
平均値機能 | – | データ転送 | 〇 |
その他機能 | カフコネクタワンタッチ接続、選べる測定モード、ダブルカフ方式、ブザー消音機能、自動パワーオフ機能 | 電源タイプ | 単4形乾電池2本、DC3.0又は2.4V |
サイズ | 63 × 46 × 175mm | 重量 | 約120g |
家庭用上腕式血圧計 HEM-7120 / オムロン(OMRON)
オムロンのベストセラー血圧計
家庭用上腕式血圧計 HEM-7120 / オムロン(OMRON)
4,980円(税込)※相場(楽天参考)家庭用血圧計は、低価格でコストパフォーマンスに優れているという点も大きな特徴です。オムロンのHEM-7120は、操作性が高く、測定値の見やすさなどバランスの取れた人気モデルです。
前回の測定値を確認できる前回値メモリ機能も搭載し、測定時に血圧値を比較することも可能です。
測定方式 | インテリセンス | 適応腕周り | 22~32cm |
---|---|---|---|
メモリ機能 | 前回値メモリ | 不規則脈波機能 | 〇 |
平均値機能 | – | スマートフォン連動 | – |
ユーザー管理機能 | – | 電源タイプ | 単4形乾電池4本、ACアダプタ(別売) |
ゆるみ・姿勢チェック | – | その他機能 | 測定ミスお知らせ |
サイズ | 103 × 80 × 129mm | 重量 | 約250g |
まとめ
医療用血圧計と家庭用血圧計は、どちらも同じ血圧測定を目的としていますが、測定値基準、機能、価格には大きな違いがあります。
また現在では減少傾向にありますが、「水銀血圧計」や「アネロイド血圧計」は専門的知識がないと扱うことができません。
一方で、家庭用血圧計は、専門的知識がなくても手軽に扱うことができ、コストパフォーマンスにも優れていることが特徴です。